珍味昔話|第六章
6-1|このわたこそ本物の “珍味”
天下の三大珍味といえば、古くから「肥前(長崎)のカラスミ」、「越前(福井)のウニ」、そして、「三河(愛知)のコノワタ」が定説であるが、その中から厳選のベスト・ワンを残すとすれば、やはり「コノワタ」だろう。
もっとも、味に対する好みは個人差があるから、「ウニ」がいちばんというひともいるだろうし、いや、「カラスミ」と主張する通人がいてもおかしくはない。
しかし、「天下の珍味」というからには、あくまでも「珍らしいもの」でなければ失格である。そのものの味が、いくらユニークでも、マスプロされたら珍らしくも何ともなくなってしまうからである。
それを舌にのせた瞬間、みんながみんな「うまい!」と思わず感心するようなものではダメ。少々オーバーな表現をすれば、財布を投げ出しても食べてみたいというような、強烈な魅力があって、その魅力に60パーセントくらいがとりつかれ、あとの40パーセントは、頭をかしげたくなるような食べものであることが必要だ。
「珍味」は、あくまでも「味の個性」で自己主張してほしい。とまあ、「珍味」の定義をせばめていって、最後になおかつ残るのが「コノワタ」ではないだろうか。
もっとも、味に対する好みは個人差があるから、「ウニ」がいちばんというひともいるだろうし、いや、「カラスミ」と主張する通人がいてもおかしくはない。
しかし、「天下の珍味」というからには、あくまでも「珍らしいもの」でなければ失格である。そのものの味が、いくらユニークでも、マスプロされたら珍らしくも何ともなくなってしまうからである。
それを舌にのせた瞬間、みんながみんな「うまい!」と思わず感心するようなものではダメ。少々オーバーな表現をすれば、財布を投げ出しても食べてみたいというような、強烈な魅力があって、その魅力に60パーセントくらいがとりつかれ、あとの40パーセントは、頭をかしげたくなるような食べものであることが必要だ。
「珍味」は、あくまでも「味の個性」で自己主張してほしい。とまあ、「珍味」の定義をせばめていって、最後になおかつ残るのが「コノワタ」ではないだろうか。