珍味昔話|第一章
1-2|古代人は税金を珍味で納めた 尾張、三河から京都へ
古代人にとって、税金は物納が中心であり、それらは主として、地方の特産品によって納められていた。
古代の特産品は、現代の”珍味”に当るものが多くしたがって、”古代税金”を調べれば、当時どのような珍味があったかがわかる。つぎに述べる、国名 県名 と加工食品をみてもらえばわかることであるが、現在のいわゆる伝統珍味のほとんどが、1000年以上も前の平安時代前期には、すでに出そろっていた。
古代人の課せられた税金である”貢納物”の割当がくわしく記入されている平安時代の法令集である『延喜式』 (927年に完成)によれば、北は陸奥国 青森県 から、南は薩摩国 鹿児島県 にいたるまで、それぞれの特産物を京都まで、運び入れるよう規定されている。
これらは、すべて平安貴族や役人たちのメニューをいろどる食材となるものであるが、こういった″美味珍味″の数々は、すべて地方の農民や漁民の手でつくられ、運ばれたものである。
運搬といっても、もちろん人力で、しかも京都までの所要日数まで規定されている。たとえば、鮭の塩引きや筋子といった、現在でも高価な加工食品を割り当てられた越後国の場合、上り 京都へ 行程は34日。これに対して下り、つまり帰路は17日。
帰りの日数が「上り」の半分なのは、空荷となって身軽なためで、それにしてもたいへんな重労働である。では、中京地区の場合はどうだろうか。
古代の特産品は、現代の”珍味”に当るものが多くしたがって、”古代税金”を調べれば、当時どのような珍味があったかがわかる。つぎに述べる、国名 県名 と加工食品をみてもらえばわかることであるが、現在のいわゆる伝統珍味のほとんどが、1000年以上も前の平安時代前期には、すでに出そろっていた。
古代人の課せられた税金である”貢納物”の割当がくわしく記入されている平安時代の法令集である『延喜式』 (927年に完成)によれば、北は陸奥国 青森県 から、南は薩摩国 鹿児島県 にいたるまで、それぞれの特産物を京都まで、運び入れるよう規定されている。
これらは、すべて平安貴族や役人たちのメニューをいろどる食材となるものであるが、こういった″美味珍味″の数々は、すべて地方の農民や漁民の手でつくられ、運ばれたものである。
運搬といっても、もちろん人力で、しかも京都までの所要日数まで規定されている。たとえば、鮭の塩引きや筋子といった、現在でも高価な加工食品を割り当てられた越後国の場合、上り 京都へ 行程は34日。これに対して下り、つまり帰路は17日。
帰りの日数が「上り」の半分なのは、空荷となって身軽なためで、それにしてもたいへんな重労働である。では、中京地区の場合はどうだろうか。
● | 尾張国(愛知県)の西部 から京都へ | ・・・ | 7日 |
● | 京都から尾張国(愛知県)へ | ・・・ | 4日 |
● | 三河国(愛知県)の東部 から京都へ | ・・・ | 11日 |
● | 京都から三河国(愛知県)へ | ・・・ | 6日 |
● | 伊賀国(三重県)西部 から京都へ | ・・・ | 2日 |
● | 京都から伊賀国(三重県)へ | ・・・ | 1日 |
● | 伊勢国(三重県)の大部分 から京都へ | ・・・ | 2日 |
● | 京都から伊勢国(三重県) | ・・・ | 1日 |
● | 志摩国(三重県)東部 から京都へ | ・・・ | 4日 |
● | 京都から志摩国(三重県)へ | ・・・ | 2日 |
● | 美濃国(岐阜県)南部 から京都へ | ・・・ | 4日 |
● | 京都から美濃国(岐阜県)へ | ・・・ | 2日 |
● | 飛騨国(岐阜県)北部 から京都へ | ・・・ | 14日 |
● | 京都から飛騨国(岐阜県)へ | ・・・ | 7日 |